4月9日(木)13:30から、ANAインターコンチネンタルホテル東京で開催された、ペット保険最大手のアニコム ホールディングス株式会社主催の「マスコミ懇談会」に招待され、参加してきました。
「数字で見る日本のペット事情 ~ペット家族化時代の獣医療とペット保険~」と題して、以下のお三方による講演が行われました。
・数字で見るペット保険と展望 ~人の健保システム再生の可能性~
アニコム ホールディングス株式会社 小森伸昭 氏
・進むペットの家族化と課題 ~獣医療現場の対応として~
みずほ台動物病院/琉球動物医療センター 兼島孝 先生
・数字から見える日本のペット市場
アニコム パフェ株式会社 島村麻子 先生
日本で51万件のペット保険加入があり、アニコム損保は、その63.8%を占めるんですねぇ(発表は、富士経済データから引用)。
それで、現状の加入件数は、日本の犬猫飼育頭数の1.5%とまだまだ低いことから、これが英国並みの15%になって欲しいというのが、小森社長の弁でした。
但し、アメリカでは加入件数が3%ということですから、まずアメリカ並みにまでなれるかどうかが大きな壁かな、と個人的には感じました。
また、「ペット保険にできる3つのこと」として、
① ペットの病気の早期治療・早期発見
② 獣医療の発展
③ ペットショップでのトラブル軽減
が挙げられていました。
一つ目のペット保険に加入することによって、経済面での制約を緩和して、来院時期の早期化が図られ、早期発見・早期治療につながるというロジック、これは確かにあると思います。
二つ目も、動物病院に来院が増えて、また、より高額な高度医療にも飼主も獣医師も挑戦できる場が増えることで、兼島先生の仰るように、獣医師が要望に応えるために研鑽され、獣医業界の底上げにつながるということでしたら、当てはまるように思います。
ただ、獣医療の発展は、獣医学・医学・薬学・工学などの科学の発展や、獣医師の探求心、動物を病気から救いたいという情熱などから得られるものだと考えますので、ペット保険があるから獣医療が発展するという論理には異論があるような気がします。
三つ目は「ペット保険に加入することで、(購入後すぐに)病気になったとしてもペットショップにクレームをつけず、動物病院に行きやすくなり、治療を体験する・・・」という説明でした。
これについても、個人的には違和感が残ります。皆さんはどうでしょうか?
ただ、二人に一人の契約者が、保健を年1回以上利用し、延べ150万回以上の給付実績があるとのこと。 これで救われた命も多いと思います。
また、事後請求型ではなく、動物病院での窓口精算を可能にしたシステムを導入したことも、大きなメリットだと思います。全額を一旦払わなきゃいけない、ということでは、経済的な負担を軽減して病院に行きやすくなるということにはなりませんもんね。
マスコミの方からも活発な質問が出され、熱心に聴講されておられました。
平成20年3月25日付の日本経済新聞で、アイペットが少額短期保険業者として登録を受けたとの記事がありました。
ニュース | ペットの医療共済【ペット版健康保険証】アイペットクラブ i pet club
ひとまず、良かったのではないでしょうか。
ペットメディカルサポート共済会も同様に少額短期保険業者を目指すとのことですが、まだ登録を受けたとの報道はないように思います。
PS共済とは? ペット保険【ペット共済】PSクラブ ペットメディカルサポート共済 ペットの健康保険
犬友クラブは、保険会社及び少額短期保険業者との事業統合を目指すとのことをウェブサイトで明記しています。事業統合ができなければ、どうなるのかということも、加入者保護のためには記載すべきと思われます。
クラブNews<ペットと飼い主様のペットライフを応援!--犬友クラブ-->
アニコムは損害保険会社として昨年末に免許を受けています。
保険商品のご案内/アニコム損害保険株式会社
ペット&ファミリーは、少額短期保険会社として、ここも昨年に認可を受けています。
ペット保険 ペット&ファミリー少額短期保険会社
金融庁によれば、「平成20年3月末までに登録などの申請を行っていない場合は、平成20年4月以降は新規の保険契約の引受けは法令上禁止されます(新規の引受けを行っている場合、保険業法違反[無免許営業]となります。)」とのことです。
少額短期保険業制度について…:金融庁
また、損害保険会社として免許を受けたから、少額短期保険業者として登録を受けたから、以後、無事安泰ということではなく、会社の状態をディスクロージャー(情報公開)制度による公開情報で確認する必要があります。
いずれにせよ、飼い主と獣医師に混乱が生じないことが重要だと思います。
まだまだ、方針を明らかにしていないペット共済が数多くあり、新たに加入を検討している飼い主の方は、よく内容を検討されることをお勧めします。
下表の金融庁の表にあるように、無認可共済では根拠法もなく、監督官庁もないので、セーフティネット(共済が破綻した場合の救済策)も、何もないままです。ですが、現在も募集を継続しているところがあることに、ペットポータルは少なからず懸念を感じています。
4月以降、問題が生じないことを祈っています。
| 項目 | 保険会社 | 少額短期 保険業者 |
特定保険業者 | 根拠法のない 共済団体 |
|---|---|---|---|---|
| 監督官庁 | 金融庁 | 金融庁 | 金融庁 | なし |
| 設立時の免許制度 | 免許制 | 登録制 | なし | なし |
| 商品審査制度 | あり | あり | なし | なし |
| 責任準備金制度 | あり | あり | なし | なし |
| 資産運用規制 | あり | あり | なし | なし |
| ディスクロージャー制度 | あり | あり | 一部あり | なし |
| 公的セーフティネット | あり | なし(*) | なし | なし |
| 募集人登録制度 | あり | あり | なし | なし |
| 重要事項説明義務 | あり | あり | あり | なし |
なお、以下の株式会社JPRの記事に、保険業法の改正に関して詳しい記事が掲載されています。
特集:少額短期保険となるペット保険は今後どう変わるか?|JPRペット産業・市場ニュース
ペットポータル関連記事:(こちらは古いので、あまり参考にならないかも)
■ペットポータル■: ペット専業の保険会社が誕生か?
■ペットポータル■: 「ペット保険」
日本経済新聞(2005年1月18日)によれば、ペットの医療保険を販売する共済団体、アニコムが、2月中に金融庁に保険会社の免許を申請するとのことです。
共済から保険会社への業態の変化が認可されれば、国内初のペット専業の保険会社となります。
記事によれば、
「金融庁では法の枠外にあり保険に似た「無認可共済」を規制するため
保険業法の改正を検討している。改正されれば無認可共済のままで営業
できなくなるため多くの共済団体は保険会社への転換を迫られる。今回の
動きはこれを先取りするもの」
とのことです。
現行法では最低資本金が10億円、ソルベンシーマージン(支払い余力)比率は200%以上、などという要件が保険会社の営業を継続するために課せられています。
1月23日でご紹介した独立行政法人の国民生活センターのサイトで、「ペット保険」(共済制度)について調査報告がありましたので、ご紹介します。
生活関連サービス情報「ペット保険 ペットが病気やけがをした場合の医療費に備えるサービス」(PDF形式)
ペット保険発祥の地はイギリスと言われ、ペット保険の加入率はイギリス国内での小動物飼育頭数の約12~15%というほどポピュラーになっているとのことです。
まだ日本では加入率が1%未満とされていますが、飼い主の皆さんが利用を考える際の参考となると思いますので、ぜひご覧下さい。
なお、リンク先はPDFファイル(Adobe Acrobat Reader)です。読み取るためのPDFリーダーをお持ちでない場合は,あらかじめダウンロードしてから閲覧願います。
ダウンロード・ページへ
国民生活センターの調査対象となった事業者は次の4社です。
アニコム / anicom
日本ペットオーナーズクラブ
日本ペット共済会
ペットリレーションズ
調査時期は2002年12月から2003年2月ですので、ほぼ1年前の情報となります。
上記の資料によれば、「ペット保険」の基本的な仕組みとして次のように説明されています。
(日本の)「ペット保険」は保険業法に基づき免許をもった事業者が扱っている
わけではなく、任意団体等が「共済」の考え方を取り入れて運営(根拠法令の
ない共済)しているところが多い(表2参照)。いざというときの契約者保護対策
も保険のような契約者保護機構があるわけではなく、監督官庁もない。
イギリスなど海外のペット保険の多くはそれぞれの国の法律に基づく許可事業
となっており、日本での「ペット保険」とは状況が異なる。
この点については、各社(団体)で、利用者(会員)に対して、利用者への保障を担保する意味で、再保険をかけているところもあるとのことです。
<自社の「保険」に保険をかけて信頼性を保障するいわゆる「再保険」も>
利用者への保障を担保する意味でいわゆる「再保険」を掛けている事業者
が4社中2社あった。すなわち、利用者への「保障項目」(入院、通院、手術
等)に基づく支払いに対して、保険会社に保険を掛けることで、事業者が引
き受けた責任の一部または全部を、その保険会社に転嫁させることにより、
倒産しないよう危険を分散させる仕組みである。(中略)
事業者のもしものことを心配する場合、前述のようないわゆる「再保険」の
有無も「ペット保険」を選ぶ際のポイントの一つになるだろう。
私の調べた範囲では分かりませんでしたが、この調査の1年後の現在は、業界としてまとまった団体や自主的なルールができているかもしれません。
官庁による行き過ぎた規制も困りますが、消費者保護の観点からいえば、日本でも監督官庁があった方が良いのでは、と考えますし、飼い主さんも消費者として、十分に理解した上で加入を決める必要があると思います。
また、動物病院での会計の際に、すぐに割引されるタイプと、一旦支払った後で後日、給付金が振り込まれるタイプがあります。
「保険」加入後、ペットが病気やけがの際は、「ペット保険」のタイプにより
(1)動物病院にかかった際、会計時に利用料金が割引されるタイプと
(2)動物病院でかかった利用明細または診断書を添えて給付申請を行う
と、「審査」の上で、給付金が契約者の口座に振り込まれるタイプがありま
す。
その他、入会可能地域、保障内容、加入できる動物の種類、加入できる動物の年齢、掛け金、アフターサービスなどにも違いがあります。
「ペット保険」は、日本では普及はこれから、という新しいサービスですので、各社のパンフレットをもらって見比べるなり、不明な点は各社に問い合わせて確認するなり、取り扱いの動物病院で尋ねるなどして、できるだけ多くの情報を得て、ご納得の上、加入されることをお勧めいたします。