April 27, 2010

狂犬病予防は必要です。

現在、全国各地で狂犬病の予防接種が行われています。
その際、必ず話題として出るのが、「もう狂犬病予防は不要ではないか」という意見です。

日本国内では発生は今のところありませんが、BSE、鳥インフルエンザ、口蹄疫などの海外での疾病が日本に入ってきていることを考えれば、いつ日本に入ってきてもおかしくない状況を忘れてはなりません。

特に留意すべきは、狂犬病は犬だけではなく、人にも罹り、発症後の死亡率は100%であるということです。
日本もかつては狂犬病による人間の感染が年間100名を超えていた時代がありました。
それが、1950年の狂犬病予防法の施行により、死者を激減させることに成功したのです。
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残念ながら、2006年に2名の日本人が狂犬病で亡くなられましたが、どちらも海外渡航中に犬に咬まれたことで伝染したとのことです。

ケース1:

2006年、フィリピンより帰国した男性が、現地で狂犬病ウイルスに感染し、国内で発症したことが確認された。
患者情報
(1) 年齢・性別 60歳代 男性
(2) 経過
11月 9日 風邪様症状を呈しA病院を受診。
11月12日 水が飲みにくく風が不快との症状によりB病院を受診。
脱水症状が認められたことから、点滴を受け帰宅。
11月13日 幻覚症状を呈し、再度B病院を受診。
恐水及び恐風症状が確認され入院。  
11月14日 人工心肺で処置中。11月16日、死亡。
(3) 感染原因  当該患者は、フィリピンに渡航中(8月末)、犬に手を咬まれており、これにより狂犬病に罹患したと判断される。なお、現地における暴露後のワクチン接種は受けていないもよう。

検査に関する情報  国立感染症研究所において、PCR法による病原体の遺伝子の検出を試みたところ、狂犬病ウイルス遺伝子を確認。

ケース2:

今般、フィリピンより帰国した男性が、現地で狂犬病ウイルスに感染し、国内で発症したことが確認された。

患者情報
(1)年齢・性別 60歳代 男性
(2)経過
11月15日 風邪様症状と右肩の痛みが発現。
11月19日 A病院を受診。点滴及び血液検査を受け帰宅。
夕方薬を服用しようとしたが、飲水困難となる。
夜になり呼吸困難を呈する。
11月20日 A病院に再度受診。興奮状態となり、恐風症状及び恐水症状を呈していることから、狂犬病の疑いがあるとしてB病院に転院。
11月22日 人工呼吸器を装着。 12月7日  死亡
(3)感染原因  当該患者は、フィリピン滞在中(8月頃)、犬に手を咬まれており、これにより狂犬病に罹患したと判断される。なお、現地における暴露後のワクチン接種は受けていない。
検査情報  国立感染症研究所において、PCR法により、狂犬病ウイルス遺伝子を確認。

このフィリピンだけでなく、世界中で狂犬病は今なお蔓延しています。
今年、ニューヨークのマンハッタンでも、セントラルパークでアライグマ40匹に狂犬病感染が確認されており、犬1匹と人が2名咬まれる事故が起こっています。
ニューヨークに狂犬病の脅威

世界中でも日本のように狂犬病の感染のない国は極めてまれなのです。
そして、それは日本が島国であることも大きな地理的な要因でしょうが、狂犬病予防法があり、水際でくい止められていることが非常に大きい理由だと思います。

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以下にアンケートがなされていますが、6割の方が狂犬病予防接種は必要と考えておられます。
過半数を超えているのでまだ安心とみるべきか、もっともっと啓発が必要と考えるべきか。
いずれにせよ、狂犬病予防接種は必要だとペットポータルは考えています。

投稿者 Yuki : 10:05 AM | コメント (75)

April 13, 2010

日本で上市が望まれる動物用医薬品

旧聞に属しますが、今年2月にラスベガスで開催されたWVC(Western Veterinary Conference)に参加致しました。

目的は、
1. WVCに参加し、海外で新発売され、日本で未承認の動物用医薬品についての情報を収集する
2. 今年の世界の動物薬産業がどのようになるか、予測することに役立てる
の2つに絞って、できる限り多く聴講しました。

学会は6,000人以上の獣医師と3,000人以上の展示企業の参加者を集め、その他VT、学生等、合計13,300名を集めた(対前年10%増)とのことです。

Western Veterinary Conference February 14-18, 2010 Las Vegas

The Western Veterinary Conference, held earlier this week, drew over 13,300 attendees, a 10% increase over 2009 attendance. Attendees included over 6,000 veterinarians and 3,000 exhibitors. The conference offered 45 hours of Continuing Education for veterinarians and technicians, and nearly three dozen hands-on labs at the Conference's new Oquendo Center.

会場の一つとなったホテル、マンダレイベイです。
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これは、FDAの認可を得て、米国で販売されているReconcile(リコンシルと読むのでしょうか?)の広告パネルです。主成分はフルオキセチンで、分離不安症の効能効果を有します。
まだ日本では農林水産省の認可が得られていませんが、臨床試験は終了したとの情報があります。
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これは、Intervet Schering-Plough社(日本では(株)インターベット)のブースです。
人の大きさと比較すると、ブースがいかに大きいかがお分かりいただけるかと存じます。
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同社では、世界初の「犬のH3N8型インフルエンザワクチン」を開発して、USDAの承認を得て、盛んにセミナーや広告を行っていました。

これは日本でもご存知のHill's Colgate(ヒルズコルゲート)社のブースです。
ネコ用にj/dの解説が行われていました。
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昼食時間はランチョンセミナーで、サンドイッチを食べながら聴講しようと思い、地階に行きましたら、長蛇の列。先頭まで行ってみると、一つのランチョンセミナーにこれだけの人が並んでいることが分かり、これは聴く価値があるのだろうと、改めて並び直しました。
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タイトルは、「Tight vs. Loose Control in a Diabetic Cats: Using One or Both?」(猫の糖尿病治療の厳格な管理と適当な管理、片方だけか、両方か?)というもので、スポンサーはBoeringer Ingelheim (日本ではベーリンガーインゲルハイムベトメディカジャパン株式会社)が行っていました。
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(ピンぼけですみません)
先程、並んでいた人数ですが、講演後に社員の方に、参加人数を伺うと430人!とのことでした。

猫の糖尿病治療薬として、長時間作用型のインスリンをBoehringer Ingelheim社が米国で新発売している背景があるそうです。
日本では、動物(犬用もネコ用も)の糖尿病治療用のインスリン製剤はまだないので、日本で上市が望まれる製品の一つだと思います。

まだ追加情報がありますので、機会があれば紹介します。

投稿者 Yuki : 03:24 PM | コメント (48)