現在、全国各地で狂犬病の予防接種が行われています。
その際、必ず話題として出るのが、「もう狂犬病予防は不要ではないか」という意見です。
日本国内では発生は今のところありませんが、BSE、鳥インフルエンザ、口蹄疫などの海外での疾病が日本に入ってきていることを考えれば、いつ日本に入ってきてもおかしくない状況を忘れてはなりません。
特に留意すべきは、狂犬病は犬だけではなく、人にも罹り、発症後の死亡率は100%であるということです。
日本もかつては狂犬病による人間の感染が年間100名を超えていた時代がありました。
それが、1950年の狂犬病予防法の施行により、死者を激減させることに成功したのです。
残念ながら、2006年に2名の日本人が狂犬病で亡くなられましたが、どちらも海外渡航中に犬に咬まれたことで伝染したとのことです。
ケース1:
2006年、フィリピンより帰国した男性が、現地で狂犬病ウイルスに感染し、国内で発症したことが確認された。
患者情報
(1) 年齢・性別 60歳代 男性
(2) 経過
11月 9日 風邪様症状を呈しA病院を受診。
11月12日 水が飲みにくく風が不快との症状によりB病院を受診。
脱水症状が認められたことから、点滴を受け帰宅。
11月13日 幻覚症状を呈し、再度B病院を受診。
恐水及び恐風症状が確認され入院。
11月14日 人工心肺で処置中。11月16日、死亡。
(3) 感染原因 当該患者は、フィリピンに渡航中(8月末)、犬に手を咬まれており、これにより狂犬病に罹患したと判断される。なお、現地における暴露後のワクチン接種は受けていないもよう。検査に関する情報 国立感染症研究所において、PCR法による病原体の遺伝子の検出を試みたところ、狂犬病ウイルス遺伝子を確認。
ケース2:
今般、フィリピンより帰国した男性が、現地で狂犬病ウイルスに感染し、国内で発症したことが確認された。患者情報
(1)年齢・性別 60歳代 男性
(2)経過
11月15日 風邪様症状と右肩の痛みが発現。
11月19日 A病院を受診。点滴及び血液検査を受け帰宅。
夕方薬を服用しようとしたが、飲水困難となる。
夜になり呼吸困難を呈する。
11月20日 A病院に再度受診。興奮状態となり、恐風症状及び恐水症状を呈していることから、狂犬病の疑いがあるとしてB病院に転院。
11月22日 人工呼吸器を装着。 12月7日 死亡
(3)感染原因 当該患者は、フィリピン滞在中(8月頃)、犬に手を咬まれており、これにより狂犬病に罹患したと判断される。なお、現地における暴露後のワクチン接種は受けていない。
検査情報 国立感染症研究所において、PCR法により、狂犬病ウイルス遺伝子を確認。
このフィリピンだけでなく、世界中で狂犬病は今なお蔓延しています。
今年、ニューヨークのマンハッタンでも、セントラルパークでアライグマ40匹に狂犬病感染が確認されており、犬1匹と人が2名咬まれる事故が起こっています。
ニューヨークに狂犬病の脅威
世界中でも日本のように狂犬病の感染のない国は極めてまれなのです。
そして、それは日本が島国であることも大きな地理的な要因でしょうが、狂犬病予防法があり、水際でくい止められていることが非常に大きい理由だと思います。
以下にアンケートがなされていますが、6割の方が狂犬病予防接種は必要と考えておられます。
過半数を超えているのでまだ安心とみるべきか、もっともっと啓発が必要と考えるべきか。
いずれにせよ、狂犬病予防接種は必要だとペットポータルは考えています。