January 27, 2007

犬のブルセラ症

大阪府和泉市の繁殖販売業者が飼育していた犬がブルセラ症に集団感染(257頭中118頭)していた問題を受けて、ペットポータルでは犬のブルセラ症について調べました。

イヌブルセラ症 動物からヒトにうつるブルセラ症のうち、イヌブルセラ症は最も軽症とされる。わが国には1970年頃、輸入された繁殖犬によって持ち込まれたと考えられる。

病原体:イヌブルセラ菌(Brucella canis)。

保菌動物となる愛玩動物: イヌ

愛玩動物における発生状況:
 家庭で飼育されているイヌにおける感染率は明らかではないが、動物愛護センター等に保護されたイヌの調査結果によると数%程度が過去に感染したことを示す抗体を保有している。イヌからイヌヘは交尾等によって伝播し、時としてイヌの繁殖施設において集団発生がみられる。
このような繁殖施設からペットショッブを経て保菌犬が購入される可能性がある。

患者発生状況:
 家畜由来ブルセラ菌(感染症法に基づく4類感染症)に感染したことが確認される患者はきわめてまれである、中でもイヌブルセラ症の症状は軽い場合が多く、感染を自覚しない感染者がどのくらいいるのかは不明である。イヌと濃密な接触をすることの多い獣医師に抗体陽性者が散見されるが、この場合も抗体検査によって感染に気づくことがほとんどである。

愛玩動物から人への伝播:
 イヌブルセラ菌は、尿や精液、感染大が流産した場合は流産胎児や汚物に排泄されることが知られている。このため、分娩の介助や死流産した胎児を取り扱うことによって感染する可能性がある。原因菌が傷口や粘膜から侵入したり経ロ的に侵入することにより感染する。

臨床像と治療:
 潜伏期間は通常1-3週間で、その後、発熱、発汗、悪寒、倦怠感、頭痛などのカゼ様症状を呈することがある。しかしこの菌はヒトに対しては病原性が弱く、発症することはまれである。
 発症した場合は他のブルセラ属菌感染の場合と同様に抗生物質を用いた治療が行われる。

愛玩動物の衛生管理と人への感染予防:
 動物用、人用ともにワクチンはない。
 イヌの購入に当たっては、死流産の発生がなく、生まれた子犬の発育が良好な信頼のおける繁殖所やペットショップを利用する。愛護センター等から入手する場合にはブルセラ感染の心配のない動物であることを確認し、愛護センターも検査体制を確立することが望ましい。
 飼育に当たっては、健康不良犬との接触を制限する、健康不良犬との接触を避けるため放し飼いを行わない、などが必要である。


出典:厚生労働省
「愛玩動物の衛生管理の徹底に関するガイドライン2006」より抜粋

また、その犬のブルセラ症の集団感染した問題を論じた記事を時系列に取り上げ、ペットポータルで要約を引用して、整理します。

大阪府では、保護している犬の治療後に譲渡先を探すとのことですが、完治して保菌していないことを確認するなど、まだ時間がかかりそうです。

2月8日追記 陽性犬は、安楽死することが決められたようです。ワンちゃん達には何の罪もなく、本当にかわいそうですが、大阪府の救援本部の決断にしても苦渋の決断だったと思います。陰性犬については、抗生物質の数週間にわたる投与後、再検査の結果、最終的に陰性であることを確認するとのことです。その後、個別管理をしてさらに6週間投薬し、その間に不妊・去勢手術を行い、譲渡していくとのことです。とても大変なことと存じますが、ペットポータルとしては、この活動がうまくいくよう祈っております

5月14日追記 以下のファイルが公表されています。
Download file
ワンちゃん達のご冥福を祈るとともに、このような痛ましいことが起こらないことを祈っています。
また、陰性のワンちゃん達それぞれに、ふさわしい飼い主さんが見つかることを祈念致します。


大阪府ブルセラ病感染犬等救援本部
ブルセラ病感染犬等の取扱方針について


2007年2月7日:ブルセラ症の犬116匹、安楽死へ 愛護団体は反発

大阪府和泉市の繁殖業者が飼育していた約260匹の犬の一部が流産などを繰り返す「ブルセラ症」に集団感染した問題で、府や獣医師らでつくる救援本部は7日、検査で感染が確認された116匹を安楽死させる方針を決めた。同本部は「治療しても完治せず、感染拡大のおそれ…

ブルセラ症の犬116匹、安楽死へ 愛護団体は反発:朝日新聞

2007年1月18日:飼育犬の118匹に陽性反応、ブルセラ症

大阪府は18日、検査した257匹のうち118匹に陽性反応が出たと発表した。来週中にも獣医師会などと救援本部を設置、今後の飼育や引受先を協議する。(日刊スポーツ)

飼育犬の118匹に陽性反応、ブルセラ症 - 大阪ニュース : nikkansports.com

2007年1月18日:ブルセラ症犬、118匹陽性 大阪府、治療方法など検討

府は来週にも獣医師会などと「救援本部」を組織し、飼育や治療、新しい飼い主への譲渡などの方法を検討するという。(asahi.com)

asahi.com:ブルセラ症犬、118匹陽性 大阪府、治療方法など検討-関西

2007年1月15日:ブルセラ症の犬、大阪府が一時引き取りへ

府は15日、感染犬を含むすべての飼育犬を一時的に引き取ることを決めた。検査や治療を施し、動物愛護団体の協力を得て引き取り手を探す方針。「感染症で数も多く、民間より行政が管理した方が適切と考え、異例の措置をとった」(府動物愛護畜産課)という。(asahi.com)

asahi.com:ブルセラ症の犬、大阪府が一時引き取りへ-関西

2007年1月10日:犬が「ブルセラ症」集団感染か 大阪府が検査へ

診断結果を受け、業者は感染した犬を隔離していたが、隔離方法が不十分だったために感染が拡大している可能性があるという。業者は今月6日に犬の所有権を放棄しており、現在、犬の世話は和歌山県の動物愛護団体「ワンライフ」が行っている。(産経Web)

犬が「ブルセラ症」集団感染か 大阪府が検査へ|話題|社会|Sankei WEB

2007年1月10日:犬がブルセラ症集団感染か

業者が犬を虐待しているとの通報があり、府が昨年12月下旬に立ち入り検査。虐待はなかったが、ブルセラ症感染について説明したという。(日刊スポーツ)

犬がブルセラ症集団感染か - 社会ニュース : nikkansports.com

人に感染した場合の治療法などは、「メルクマニュアル第17判」で調べられます。■ペットポータル■でも、メインページの右側バーにあるリンクメルクマニュアル 第17版 日本語版で調べられます。

2003年に静岡県の犬飼育施設でブルセラ症が集団感染があった際の調査報告は以下のリンクからご覧下さい。
健康危機情報 静岡県内のイヌ繁殖施設におけるイヌブルセラ症の流行について

投稿者 Yuki : January 27, 2007 10:21 PM
コメント