February 13, 2005

動物医療現場におけるインフォームド・コンセントとセカンドオピニオン

■ペットポータル■: ヒト変異型クロイツフェルト・ヤコブ病などに関する市民公開シンポジウムでご紹介した平成16年度学会年次大会に参加して参りました。

「BSEとヒト変異型クロイツフェルト・ヤコブ病」を含むBSEに関する公開シンポジウムでは、立ち見も出るほどの盛況ぶりで、獣医師(獣医師も一市民です)と市民の関心の高さがうかがえ、質疑応答でも活発な意見交換が行われていました。

さて、標題の講演は、日本獣医畜産大学 臨床病理学教室助教授の鷲巣月美 先生が12日(土)の午前9時に開催されたものです。
これは市民公開ではありませんでしたので、獣医師しか聴講しておりませんでしたが、感銘を受けられた人も多かったと拝察します。

「インフォームドコンセントは、"説明と同意"あるいは"納得診療"などの訳語が生まれました。・・・インフォームドコンセントはinformed、つまり、情報を与えられ、それを十分に理解している患者(家族)によるconsent 同意 のことであり、主体はあくまでも患者(家族)側にあります。しかしながら、インフォームドコンセントが”医師あるいは獣医師による説明”とかんがえられていることはないでしょうか。インフォームドコンセントは獣医師からの一方的な情報伝達ではなく、家族側からも獣医師に対して様々な事情や考え方を伝え、最終的に合意に到達した上での家族からの治療に対する依頼であると言えます」 (講演要旨より抜粋)

informed_consent.JPG

「説明と同意」はそれぞれ一方通行のものではなく、両方通行による説明で、双方による同意で、治療が行われる、ということがここに示されています。

鷲巣先生は、講演の最初に、コミュニケーションの重要性について説明をされ、これはその後のインフォームドコンセントおよびセカンドオピニオンについての方法や重要性についての講演を聴く上で、非常に有効でした。

曰く、本来、人の記憶はあいまいなものであること、また言葉よりも言葉以外の仕草や語気・口調などの影響が大きいことを考慮に入れて、ガンの告知など飼い主さんがショックを受けることが予想される場合には、「静かに」「やさしく」「平易な言葉で」「ゆっくりと」、可能な場合には別室で、図示やメモ書きを加えて、文書による理解を得ることが大切だとのことです。

人の医療においても、このインフォームド・コンセントやセカンド・オピニオンについては、さまざまな取り組みが行われています。いくつかの例については、下記の「関連ページ」をご覧下さい。

「セカンドオピニオンは、日本語に訳すと”第2の意見”となりますが、・・・具体的には、診断や治療について主治医(あるいは現在診察を受けている医師)以外の医師の意見をセカンドオピニオンといいます。本来、主治医の診断や治療方針に対する疑問を解決するためのものではなく、これから受ける治療について、他の専門の医師の意見も聞いてみたい、参考にしたいというときのためにセカンドオピニオンはあります。・・・(中略)・・・
セカンドオピニオンは、複数の医師の意見を求めることにより、診断や治療法に誤りがないか確認ができるだけでなく、患者とより良い関係が持てる医師の選択、あるいは主治医とセカンドオピニオンを求められた医師双方の協力が得られるなどの利点があります。これは動物医療においても同じことが言えると思います。」
(講演要旨より抜粋)

質疑応答では、この演題だけに留まらず、ペットの安楽死について、日本と欧米の違い、飼い主さんに同席してもらうかどうか、などにも意見が交わされました。

このシンポジウムは、Pet Lovers Meeting代表の梶原葉月さんの「家族からのメッセージ」と題した講演と次いで行われました。
梶原代表のご講演についても、別途、紹介したいと思います。

関連ページ:

お医者さんとうまく付き合う方法

インフォームド・コンセント(医療従事者向けがん情報)

治験ナビ†インフォームドコンセント

CNJセカンドオピニオン

セカンド・オピニオンを聞きませんか!のホームページへようこそ

清水哲郎/ホームページ/哲学する諸現場

PET LOVER'S MEETING ペットラヴァーズ・ミーティング

投稿者 Yuki : February 13, 2005 03:00 PM
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