獣医学書籍や雑誌を出版されている株式会社インターズーが隔月で発行している小動物内科専門誌「SA Medicine」(エスエー メディスン)の33号(2004年10月刊)で、犬猫の「輸血」が特集されています。
動物病院で輸血を行う際の注意点や、ドナー(血液を提供する側の動物)を管理する際の注意点とドナー動物の福祉、千葉市獣医師会ではじめられた血液バンク登録制度、日米の輸血医療における現状についての座談会の内容が記載されています。
[輸血]
・輸血の特集を企画するに当たって
辻本 元 先生 (東京大学大学院農学生命科学研究科獣医内科学教室)
・輸血を必要とする場合 ―内科疾患―
久末 正晴 先生 (麻布大学獣医学部内科学第二研究室)
・輸血を必要とする場合 ―外科疾患と手術―
中山 正成 先生、田中 宏 先生、北村 雅彦 先生 (中山獣医科病院)
・臨床における輸血の実際 ―血液型、血液型判定と交差適合試験、輸血反応―
高島 一昭 先生((財)鳥取県動物臨床医学研究所)
・臨床における輸血の実際 ―血液の保存、輸血量、輸血速度、器具と手技―
中村 遊香 先生 (元:日本大学生物資源科学部獣医内科学研究室、現:共立製薬(株)学術部)
・ドナーの管理
土屋 亮 先生 (麻布大学獣医学部内科学第二研究室)
・千葉市獣医師会による血液バンク登録制度について
杉山 芳樹 先生 (ファミリー動物病院)
・特別座談会「輸血医療について考える」 ~日米の輸血医療における現状と今後の展望~
中山 正成 先生 (中山獣医科病院):司会
Urs Giger 先生 (ペンシルバニア大学獣医学部医療遺伝学)
辻本 元 先生 (東京大学大学院農学生命科学研究科獣医内科学教室)
■ペットポータル■: 献血公募による輸血システムの構築で紹介しましたように、5病院のネットワークで血液バンクを運営されているACプラザ 苅谷動物病院をはじめ、最近、訪問する動物病院で、飼い主さん向けに「当院の献血バンクにご協力下さい」という貼り紙やチラシを目にすることが多くなってきました。
動物病院で飼育している動物の多くは院内ドナーとして活躍しているわけですが、それでも不足する場合には、飼い主さんのボランティアによる院外ドナーを募集する必要性もあると思われます。
また、千葉市獣医師会のように福岡県獣医師会でも輸血医療ネットワークづくりに取り組んでおられるという話もあり、今後は全国いろいろなところで、動物の献血バンク・血液バンクが設立されることも予想されます。
その際、この特集に記載されている要点は非常に参考になるのではないでしょうか。
特に、医原性の感染はあってはならないことなので、感染症予防とフィラリアやウイルスのチェック、健康診断は必ず必要です。供血して下さる側、輸血を受ける側の飼い主さんへのインフォームド・コンセントやアドバイスも非常に重要なことと思います。
獣医学書籍・ビデオ・雑誌 [インターズー オンライン]では、この号のみ1冊でも購入できるとのことです(1冊定価 3,600円(税込み))。